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初秋のやわらかな陽射しに包まれた2018年9月9日、都心のオアシスである日比谷公園は、南国フィリピンの熱気と 祝祭のリズムに満たされていました。この日開催された「フィリピンフェスティバル2018」は、日本における フィリピン文化発信の中核を担う一大イベントとして、多くの来場者を魅了しました。会場となった大噴水広場には 朝から人々が集まり、色彩豊かな衣装や陽気な音楽が、訪れる人々を一瞬にして異国の空気へと誘います。 この日の東京の気象は、平均気温28.3度、最高気温32.1度と真夏を思わせる暑さでありながら、南寄りの風がほどよく 吹き、時折雲が広がるものの概ね晴れという天候でした。湿度は平均76%と高めで、会場には熱気と人いきれが重なり合い、 まるでマニラの街角にいるかのような体感が広がっていました。それでも、この蒸し暑ささえもイベントの陽気な雰囲気を 後押しし、来場者は汗をぬぐいながら笑顔でフェスティバルを楽しんでいたのが印象的です。 園内に足を踏み入れると、まず目を引くのはフィリピン各地の味覚を再現した屋台の数々です。甘辛く煮込まれた 肉料理アドボや、香ばしく揚げられたレチョン・カワリ、鉄板で豪快に炒められるポーク・シシッグなど、現地の食文化を 象徴する料理が所狭しと並び、食欲を刺激します。炭火で焼き上げるチキン・イナサルの香りが漂う中、冷たいハロハロや カサバケーキといったデザートも人気を集め、暑さの中でのひとときの清涼感を提供していました。ビール片手に 音楽を楽しむ来場者の姿も多く、まさに食と音楽が融合した祝祭空間が広がっていました。 ステージエリアでは、フィリピン本国から招かれたアーティストやタレントが登場し、会場の熱気をさらに高めます。 フィリピンの人気テレビネットワークであるABS-CBNにゆかりのある出演者によるライブやトークは、在日フィリピン人に とっては故郷とのつながりを感じる貴重な機会であり、日本人来場者にとっても新鮮な文化体験となっていました。 観客はリズムに合わせて手を叩き、時には一緒に踊りながら、国境を越えた一体感を楽しんでいる様子でした。 また、会場には文化紹介や物販のブースも充実しており、フィリピンの伝統工芸品や衣装、雑貨などが並びます。 さらに、フィリピン政府機関による観光案内や交流促進の取り組みも紹介されており、単なるイベントにとどまらず、 両国の関係を深める場としての役割も担っていました。こうした多面的な構成が、フィリピンフェスティバルの魅力を より一層際立たせています。 さらに見逃せないのが、公園内にひっそりと佇むホセ・リサールの記念像です。フィリピン独立運動の象徴的存在である 彼は、かつて日本に滞在した縁を持ち、その歴史的背景がこの地に刻まれています。賑やかなフェスティバルの合間に この像を訪ねることで、フィリピンの歴史と日本とのつながりに思いを馳せるひとときもまた、このイベントならではの 体験といえるでしょう。 2018年9月9日のフィリピンフェスティバルは、気候の暑さと人々の熱気が溶け合い、五感で楽しむ異文化体験の場として 完成された一日でした。音楽、食、歴史、そして人の交流が織りなすこの空間は、単なる観光イベントを超え、日本と フィリピンの絆を実感できる貴重な機会となっていました。都会の中心で味わう南国の祝祭は、訪れた人々の記憶に 鮮やかに刻まれる体験として、今もなお語り継がれているのです。


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