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2012年7月27日に開催された「第41回神楽坂まつり」の阿波踊り大会は、東京・神楽坂の夏を象徴する熱気あふれる
祭りとして、多くの観客を魅了しました。この年のテーマは「がんばろう!日本」であり、前年に発生した
東日本大震災の被災地支援の思いが込められた特別な開催となりました。神楽坂通り全体が提灯の光に包まれ、
かつての花街としての情緒と、現代的な活気が融合した独特の雰囲気が漂っていました。祭りの後半にあたる
阿波踊り大会は、27日(金)と28日(土)の2日間にわたって行われ、特に27日は気温29.6度、湿度75%、
南南東の風3.1m/sという蒸し暑い気候の中で、熱気と歓声が坂の上から下まで満ちていました。
この阿波踊り大会は、神楽坂下から坂を登る「神楽坂通り会場」と、赤城神社を起点に神楽坂上へと向かう
「6丁目会場」の2か所で同時に開催され、午後7時の開始とともに太鼓と鉦の音が一斉に響き渡りました。
地元の有志による「かぐら連」を筆頭に、周辺企業の連や高円寺から参加した名門連など、約20連、
総勢数百名に及ぶ踊り手たちが参加しました。天狗連、志留波連、菊水連、飛鳥連、そして高円寺からの騒連や
粋連など、多彩な顔ぶれが神楽坂の夜を彩り、それぞれの連が独自のリズムと振りで観客を沸かせました。
阿波踊りの華とされる女踊りでは、踊り手たちが長い浴衣に鳥追い笠を被り、手甲を付けてしなやかに踊り、
優雅な身のこなしで観客の目を奪いました。二拍子のリズムに合わせて、蹴出しを見せながら流れるように進む姿は、
まるで風が舞うようで、坂道の石畳の上にしっとりとした美しさを添えていました。一方、男踊りでは、法被姿の踊り
手たちが鉢巻を締め、豪快な掛け声とともに力強く踊り、地を這うような低い姿勢から勢いよく跳ね上がる動作が、
観客の歓声を誘いました。その動と静の対比が、阿波踊りの魅力をより一層際立たせていました。
この年の神楽坂まつりでは、被災地支援を目的とした募金活動や、ほおずき市の売り上げの一部寄付、さらには
被災地の業者に対する屋台出店スペースの無償提供など、社会的意義の高い取り組みも行われました。会場では浴衣姿の
来場者が多く見られ、「ゆかたでおいでよ神楽坂」と題された特典企画も好評を博しました。飲食店や老舗店舗が
特別サービスを提供し、神楽坂全体が一体となって来場者をもてなす様子は、まさに地域の絆と温かさを象徴していました。
阿波踊り大会の開催時間中、神楽坂通りは車両通行止めとなり、照明と提灯に照らされた坂の上には、観客と踊り手の
熱気が渦を巻いていました。風速3.1メートルの穏やかな南南東の風が、笠の端をわずかに揺らし、湿度の高い夜気の中で、
汗をにじませながらも笑顔で踊る姿は、まさに「踊る阿呆に見る阿呆」という阿波踊りの精神を体現していました。
神楽坂まつりは、1972年(昭和47年)の第1回開催以来、地域の人々に支えられ、2012年で第41回を迎えました。
その歴史の積み重ねの中で、阿波踊り大会は神楽坂の夏の象徴として定着し、「粋なお江戸の坂の町」と呼ばれるこの街の
風情を一層引き立てる存在となっています。2012年の神楽坂まつりもまた、震災から立ち上がる日本を励ますように、
地域の団結と希望を象徴する祭りとして、多くの人々の心に深く刻まれる夜となったのです。
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