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2011年7月14日のみたままつりは、真夏の青空が広がる絶好の祭り日和の中で開催されました。東京・九段北の靖国神社では、 夕刻が近づくにつれて多くの参拝者が訪れ、境内は幻想的な灯りと夏祭りの賑わいに包まれました。みたままつりは 昭和22年に始まった靖国神社を代表する祭事であり、英霊を慰めるとともに、日本古来のお盆の伝統を今に伝える行事として 広く親しまれています。2011年は東日本大震災の発生から間もない年でもあり、平和への願いや鎮魂の思いを胸に訪れる 人々の姿が例年以上に印象的でした。 この日の東京の気象状況は、平均気温28.9度、最高気温33.4度、最低気温25.9度でした。日中は雲ひとつない晴天となり、 湿度は平均62%、最少湿度45%と比較的低めだったものの、強い日差しによって厳しい暑さとなりました。風は南南東から 平均3.3メートル毎秒で吹き、夕方以降も安定した晴天が続きました。そのため夜になっても気温は高く、浴衣姿の 参拝者がうちわを片手に境内を歩く姿が数多く見られました。 靖国神社の第一鳥居に近づくと、まず目に飛び込んでくるのが参道を埋め尽くす無数の提灯です。第一鳥居から 神門にかけて約一万灯の大型提灯が整然と並び、その下には数多くの露店が軒を連ねていました。まだ日が高いうちは 露店の準備を進める店も見られましたが、夕方になるにつれて焼きそばやたこ焼き、かき氷、じゃがバターなどの香りが 漂い始め、夏祭りらしい雰囲気が一気に高まっていきました。 参道に掲げられた大型提灯には奉納者の名前が記されており、一灯一灯に平和への願いや感謝の思いが込められています。 黄金色に輝く提灯が一直線に並ぶ光景は壮観で、多くの参拝者が足を止めて写真を撮影していました。昼間でも十分に 見応えがありますが、日没後に灯りがともるとその美しさは格別で、まるで光の回廊の中を歩いているかのような 幻想的な景観が広がります。 神門へ進むと、ちょうど七夕の時期ということもあり、色鮮やかな七夕飾りが設置されていました。提灯の灯りと 七夕飾りが織りなす光景は、日本の夏らしい風情を感じさせるものでした。さらに神門の内側には、みたままつりの 大きな見どころの一つである懸雪洞が並びます。各界の著名人による揮毫や絵が描かれた雪洞は、一つひとつが個性的で、 まるで屋外ギャラリーのような雰囲気です。 この年も漫画家の松本零士氏やちばてつや氏をはじめ、俳優の石坂浩二氏、愛川欽也氏、大村崑氏、脚本家の倉本聰氏など、 多彩な文化人による作品が展示されていました。また、小野田寛郎氏や李登輝元台湾総統、麻生太郎元首相、 小泉純一郎元首相などの雪洞も見られ、多くの来場者が興味深そうに眺めていました。文字だけで力強く思いを 表現したものもあれば、絵画のような作品もあり、それぞれの個性が感じられる展示となっていました。 拝殿前に到着すると、参拝の列が続いていました。浴衣姿の若い世代から家族連れ、高齢者まで幅広い人々が訪れ、 厳かな雰囲気の中で手を合わせていました。みたままつりは華やかな夏祭りとして知られる一方で、英霊を慰める神聖な 祭事でもあります。そのため境内には賑わいの中にも静かな祈りの空気が流れていました。 参拝を終えた後は露店巡りを楽しむ人も多く見られました。じゃがバターや焼きとうもろこしなど昔ながらの祭りの味覚が 人気を集めていました。また、この年のみたままつりでは、近年では珍しくなった見世物小屋やお化け屋敷も出店しており、 多くの来場者の関心を集めていました。昭和の縁日文化を色濃く残すこれらの小屋は、若い世代には新鮮に映り、年配の 来場者には懐かしさを感じさせる存在でした。 特に見世物小屋は独特の呼び込みや舞台芸で人気を集めていました。入口では出演者が観客を誘い、会場内では歌や踊り、 手品などさまざまな演目が披露されました。現在ではほとんど見る機会がなくなった伝統的な興行文化を体験できる 貴重な機会として、多くの人が足を運んでいました。 また、境内では江戸芸かっぽれの奉納も行われました。軽快なお囃子に合わせて踊る姿は祭りの賑わいを一層盛り上げ、 観客から大きな拍手が送られていました。夜になると提灯の灯りが境内全体を照らし出し、昼間とはまったく異なる 幻想的な世界が広がりました。 2011年7月14日のみたままつりは、真夏の晴天に恵まれた中で、多くの人々が平和への願いを胸に集った一日でした。 英霊への感謝と慰霊の祈り、東京を代表する夏祭りの華やかさ、そして昔ながらの縁日の楽しさが一体となったこの祭りは、 訪れた人々に忘れがたい夏の思い出を残しました。黄金色に輝く提灯の海と人々の笑顔が織りなす光景は、2011年の 東京の夏を象徴する風景のひとつであったといえるでしょう。


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