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2011年7月に開催された靖国神社のみたままつりは、東日本大震災の発生から約4か月後という特別な状況の中で 行われました。春に予定されていた各地の祭りやイベントが中止・自粛となるなか、多くの人々が開催を心待ちにしていた 東京を代表する夏の風物詩です。みたままつりは昭和22年に始まり、戦没者の御霊を慰めるとともに、平和への祈りを 捧げる祭礼として続けられてきました。2011年も7月13日から16日までの4日間にわたり開催され、約3万を超える献灯や 懸ぼんぼりが境内を彩りました。そのなかでも特に多くの来場者の注目を集めたのが、神輿の奉納と青森ねぶたの運行でした。 祭りの準備は開催1週間前の7月6日頃から本格化していました。境内では提灯を吊るすためのやぐらの設置が完了し、 多数の提灯を取り付ける作業が進められていました。神門に飾られる仙台七夕飾りの設営も始まっており、一部の飾りは 能楽堂周辺に吊り下げられていました。この日の東京は平均気温28.0度、最高気温32.5度、最低気温25.4度を記録し、 日中は薄曇りながら時折晴れ間が広がる真夏の暑さでした。夕方以降は曇り時々雨となりましたが、祭りの準備は順調に 進み、本番へ向けて境内は徐々に華やかな雰囲気を帯びていきました。 開幕日の7月13日は平均気温28.6度、最高気温32.7度、最低気温26.4度という蒸し暑い一日でした。朝から晴天に恵まれ、 境内には多くの露店が並び始めました。昼間は比較的人出も少なく落ち着いた雰囲気でしたが、夕方になるにつれて 参拝客が増え始めます。日没後には約3万灯の献灯が点灯され、第一鳥居から神門へ続く参道は黄金色の光に包まれました。 2011年は首都圏の電力事情に配慮し、点灯時間の短縮やLED電球の導入、自家発電設備の活用などが行われましたが、 その影響を感じさせないほど美しい光景が広がりました。 みたままつりを代表する奉納行事の一つが神輿です。靖国神社の神輿は単なる祭礼の演出ではなく、神霊を乗せて運ぶ 神聖な存在です。祭り期間中には麹町靖國講や芝濱睦、大本山増上寺黒本尊熊野みこし講、大妻女子大学の学生、 地域の子どもたちなど多くの担ぎ手が参加しました。神輿は第一鳥居から拝殿前まで進みながら豪快に揺り動かされる 「みこし振り」が披露されます。担ぎ手たちの威勢のよい掛け声が境内に響き渡り、見物客から大きな拍手が送られて いました。 特に女子学生による神輿は来場者の人気を集めました。浴衣姿の若者たちや家族連れが参道を埋め尽くし、 神輿が近づくたびに歓声が上がります。神輿が提灯の灯りに照らされながら進む姿は、昼間とはまったく異なる幻想的な 美しさを見せていました。慰霊の祭りでありながら、人々の活気と笑顔に満ちた光景は、みたままつりならではの魅力でした。 そして2011年のみたままつりで最大級の注目を集めたのが、7月15日に奉納された青森ねぶたです。この日の東京は 平均気温29.4度、最高気温33.7度、最低気温25.9度を記録し、期間中で最も暑い一日となりました。朝から快晴が続き、 夕方になっても気温が高いままでしたが、多くの観客がねぶたの登場を待ちわびていました。 ねぶたは本来、青森県で毎年8月に開催される東北を代表する夏祭りです。巨大な灯籠人形を山車に乗せ、囃子や太鼓とともに 市街地を巡行することで知られています。みたままつりでは東京ねぶた連合会によって小型のねぶたが奉納され、 第一鳥居から拝殿前まで練り歩きました。 夕暮れが訪れ、提灯の灯りが輝き始めた頃、色鮮やかなねぶたが姿を現します。武者絵を描いた勇壮な灯籠は内部から光を 放ち、赤や青、黄色の鮮やかな色彩が夜空に浮かび上がりました。笛や太鼓の音が響き渡り、祭りの熱気は一気に高まります。 参道の両側には大勢の観客が集まり、写真撮影を楽しむ人々の姿も目立ちました。 ねぶたの魅力は迫力ある造形だけではありません。運行する人々の掛け声や囃子、祭りを楽しむ観客の一体感が大きな 魅力です。靖国神社という歴史ある空間に東北の伝統文化が融合することで、東京にいながら全国の祭りを体感できる 特別な機会となっていました。神門に掲げられた仙台七夕飾りと青森ねぶたが同時に楽しめる光景は、まさに 「日本各地の祭りが集う祭典」と呼ぶにふさわしいものでした。 夜が更けるにつれて境内の人出はさらに増え、参道は身動きが難しいほどの混雑となりました。提灯の光、神輿の掛け声、 ねぶた囃子の音色、露店から漂う香ばしい香りが混ざり合い、境内全体が夏祭りの熱気に包まれます。2011年のみたままつりは、 震災後の不安な空気が残る時期でありながら、人々に活力と希望を与える祭りとなりました。神輿が示す日本の伝統的な 祭礼文化と、青森ねぶたが持つ力強い生命感は、多くの参拝者の心に深い印象を残したのです。提灯の光に照らされた 神輿とねぶたの共演は、2011年のみたままつりを象徴する忘れがたい光景として、多くの来場者の記憶に刻まれたのでした。


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