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2026年7月15日、第79回靖国神社みたままつりは三日目となる「第二夜祭」を迎え、東京・九段の靖国神社には 夕刻から多くの参拝者が集まりました。みたままつりは昭和22年(1947年)に始まった伝統ある祭事で、 日本古来のお盆の時期に合わせて英霊を慰めるために執り行われています。現在では東京を代表する夏の風物詩として 知られ、歴史と祈り、そして日本各地の伝統文化が融合した祭りとして、多くの人々に親しまれています。 この日の東京都心は、平均気温29.3度、最高気温34.3度、最低気温25.9度を記録し、真夏らしい厳しい暑さとなりました。 平均湿度は75%、最少湿度53%と蒸し暑さもありましたが、平均風速3.5メートル毎秒の南東の風が時折境内を吹き抜け、 夕方になると暑さが少し和らぎました。日中は「晴時々曇」の天気で青空が広がり、夕刻から夜にかけては「薄曇」となり、 提灯の柔らかな灯りが一層映える空模様となりました。 夕方が近づくと、靖国神社の境内では大小3万を超える献灯や大型提灯に明かりがともり始めます。外苑参道から神門、 本殿へと続く参道は黄金色の光に包まれ、昼間とはまったく異なる幻想的な世界が広がります。規則正しく並ぶ無数の 提灯は、九段の夜空を優しく照らし出し、訪れた人々を静かで神聖な雰囲気へと導いてくれます。東京の中心部にありながら、 このような日本の伝統美を体感できる場所は数少なく、多くの外国人観光客も足を止め、盛んに写真を撮影していました。 午後5時には本殿で第二夜祭の祭典が厳粛に斎行され、英霊へ感謝と慰霊の祈りが捧げられました。境内全体には静寂が 漂い、祭りの賑わいの中にも靖国神社ならではの厳かな空気が感じられます。この祈りの時間を経て、境内各所では 奉納行事が始まり、みたままつりならではの多彩な催しが展開されました。 午後6時30分からは、外苑参道で恒例の「みこし振り」が奉納されました。麹町靖國講をはじめ、大妻女子大学の学生、地域の子どもたちなど、 多くの担ぎ手が力を合わせ、第一鳥居から拝殿前まで神輿を進めます。「みこし振り」とは、神霊が宿る神輿を 力強く揺り動かしながら進む勇壮な神事であり、威勢の良い掛け声と太鼓の響きが境内いっぱいに響き渡りました。 担ぎ手たちの息の合った動きと力強い神輿の揺れは迫力満点で、沿道には大勢の見物客が集まり、熱気に包まれました。 黄金色の提灯に照らされた神輿は神々しい存在感を放ち、日本の伝統文化の力強さを間近で感じられる奉納行事となりました。 一方、大村益次郎銅像周辺では、千代田区民踊連盟主催による「納涼民踊の集い」が午後6時30分から午後8時30分まで 開催されました。銅像の台座を囲むように特設やぐらが設けられ、その周囲には幾重もの踊りの輪が広がります。 まず本殿へ向かって一礼し、英霊への感謝を表してから踊りが始まるという靖国神社ならではの伝統が受け継がれており、 他の盆踊り大会とは異なる厳かな雰囲気を感じることができます。 踊りが始まると、「東京音頭」や「千代田おどり」をはじめ、全国各地の民謡や親しみやすい楽曲が次々と流れます。 千代田区ご当地の「千代田おどり」は特に人気が高く、地元の人々が楽しそうに踊る姿が印象的でした。踊り方が 分からない人でも自然に輪へ加われる温かな雰囲気があり、初めて訪れた観光客や外国人旅行者も見よう見まねで踊りを 楽しんでいました。浴衣姿の家族連れや友人同士、海外からの観光客まで世代や国籍を問わず一つの輪となり、 日本の夏文化を体験する様子は、みたままつりならではの光景です。 途中には一般参加者がやぐらへ上がって踊る時間も設けられ、会場は大きな拍手と歓声に包まれました。民踊連盟の 指導者が踊りを丁寧にリードしてくれるため、初めて盆踊りを体験する人でも安心して参加できます。祭りの途中では 奉納行事の進行に合わせて踊りが一時中断されることもありますが、その時間を利用して参道の献灯や懸ぼんぼり、 全国有名燈籠展などを見学する人の姿も多く見られました。 境内には約300点の懸ぼんぼりや献句ぼんぼりが美しく並び、著名人による書や絵、俳句が柔らかな灯りに照らされて 昼間とは異なる趣を見せていました。また、遊就館前では全国各地から奉納された燈籠が展示され、日本各地の伝統文化を 一度に鑑賞できる貴重な機会となっていました。神門には色鮮やかな仙台七夕飾りが風に揺れ、夏祭りらしい華やかさを 添えていました。 参道にはキッチンカーも並び、焼きそばや串焼き、かき氷などを楽しむことができます。かつて境内に数多く並んでいた 露店は現在設けられておらず、キッチンカーによる営業へと変わっています。そのため参道は広く確保され、ゆったりと 歩きながら提灯の美しい景色や奉納行事を鑑賞できる環境が整えられています。境内での酒宴は禁止されていることもあり、 落ち着いた雰囲気の中で祭り本来の趣を味わえる点も特徴です。 近年のみたままつりでは、若い世代や子ども連れの家族、海外からの旅行者の姿が年々増えています。力強いみこし振りに 歓声を上げる若者、提灯の光の中で写真を撮る家族、盆踊りの輪に笑顔で加わる外国人観光客など、多様な人々が同じ時間と 空間を共有していました。戦没者を慰霊するという祭り本来の意味を大切にしながらも、平和な時代に多くの人々が安心して 集い、日本の伝統文化を楽しめる光景は、みたままつりが受け継いできた大切な価値を象徴しているように感じられます。 2026年7月15日の第79回靖国神社みたままつりは、約3万灯の献灯が織りなす幻想的な景観、勇壮なみこし振り、誰もが 参加できる納涼民踊の集い、そして日本各地の伝統文化が融合した奉納行事が調和し、祈りと賑わいが美しく共存する夏の 一夜となりました。東京の都心にありながら、日本の歴史、文化、地域の絆、そして平和への願いを五感で感じられる、 まさに東京を代表する夏祭りにふさわしい一日でした。


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