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2012年8月4日(土)、東京都板橋区と埼玉県戸田市の荒川河川敷を会場に、第53回いたばし花火大会と 第59回戸田橋花火大会が同時に開催されました。両大会は、関東でも屈指の規模を誇る花火イベントとして知られ、 例年多くの観客で賑わいます。前年の2011年は東日本大震災の影響により中止されており、この年は2年ぶりの開催 ということもあり、復興と希望の思いが込められた特別な大会となりました。当日の東京の天候は薄曇りで、 19時の時点で気温29.2度、湿度74%、風速4.3メートル毎秒の南東の風が吹いていました。風がやや強めではありましたが、 打ち上げには支障のない穏やかな気象条件で、観覧者にとっても快適な夏の夜となりました。 いたばし花火大会では、区制施行80周年を記念する特別な演出が行われ、約5,500発の花火が夜空を彩りました。 なかでも注目を集めたのは、震災被災児童支援を目的とした「ポケモン花火」で、子どもたちに笑顔と勇気を届ける 演出として高い評価を得ました。打ち上げは19時に始まり、まだ薄明るい空に向かってオープニングスターマインが 華やかに炸裂。その後、ポケモンのキャラクターを模した型物花火が次々と打ち上げられ、会場からは歓声が上がりました。 19時半を過ぎると、フジテレビの番組「料理の鉄人」のテーマソングが流れ、「花火の鉄人、芸術玉の競演」と題された プログラムが開始されました。これは、全国の著名な花火師による芸術玉の競演で、各地から選ばれた職人たちが 自らの技術を競い合うものです。新潟の阿部正明による「昇曲導 三重芯銀閃冠」、福島の菅野忠夫による 「昇小花 ステンドグラス千輪」、長野の篠原茂男による「昇木葉 ひまわりの花」など、個性豊かな花火が次々に 夜空を染め上げました。それぞれの花火は色彩や構成、消え際の残光までが芸術的に計算されており、まさに 「職人技の競演」と呼ぶにふさわしい内容でした。 後半には、板橋側と戸田側が交互に花火を打ち上げる「スターマインの競演」が展開され、荒川を挟んで両岸が一体となる 壮観な演出が行われました。特に、長さ100メートルに及ぶ「大ナイアガラの滝」は圧巻で、無数の火花が銀色の 瀑布のように流れ落ちる光景に、観客は息を呑みました。いたばし花火大会名物でもあるこの演出は、荒川の広大な 空間を最大限に活かしたものであり、花火と川面の反射が織りなす幻想的な美しさは、多くの観覧者の記憶に深く 刻まれました。 一方の第59回戸田橋花火大会では、約6,000発の花火が打ち上げられ、埼玉県南部最大級の花火大会として大きな 盛り上がりを見せました。この年のテーマは「手をつなごう 明日へつなごう 戸田橋花火大会」であり、復興と 未来への希望を象徴する大会として企画されました。特に、フィナーレを飾った「ウルトラスターマイン」では、 わずか数分間に尺玉を含む1,000発以上の花火が一斉に夜空を埋め尽くし、観客を圧倒しました。その迫力と音響の 一体感は、まさに夏の夜のクライマックスにふさわしい壮大な演出でした。 また、戸田側では「メッセージ花火」も実施され、被災地への思いや家族への感謝の言葉が読み上げられた後に 花火が打ち上げられるなど、心温まる企画が展開されました。放送では戸田側の観覧席向けにメッセージが流され、 その一部は板橋側でも紹介されました。復興を願う祈りのこもった花火が夜空に広がるたびに、観客からは静かな 拍手と感嘆の声が上がりました。 両大会合わせて約11,500発の花火が打ち上げられた2012年の大会は、震災からの復興を象徴する希望の光として 多くの人々の心に残りました。プログラムは公式サイトでも事前に公開され、花火の種類や順番が細かく記載されており、 観覧者はその詳細な構成に驚かされました。20時50分、フィナーレのスターマインが終了すると、拍手と歓声が 会場全体に響き渡り、2年ぶりの花火大会は感動のうちに幕を閉じました。第53回いたばし花火大会と 第59回戸田橋花火大会は、この年、伝統と技術、そして復興の願いが融合した感動的な夏の祭典として、 多くの人々に深い印象を残す大会となりました。


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