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2009年8月22日、夏の終わりを告げるような澄み渡る青空のもと、多摩川河川敷では世田谷区たまがわ花火大会と
川崎市制記念多摩川花火大会が同時開催された。気温は29.7度、湿度69%、風速3.5m/s、南東の風という気象条件は、
花火の煙を程よく流し、視界を確保するには理想的であった。会場となったのは、国道246号二子橋および東急田園都市線の
鉄橋付近であり、東京都世田谷区と神奈川県川崎市高津区にまたがるこのエリアには、夕刻から続々と観客が詰めかけ、
最終的には70万人を超える人々が集まったとされる。
この大会の特徴は、両岸で別々の主催者による花火が同時に打ち上げられるという点にある。世田谷側と川崎側がそれぞれ
趣向を凝らした演出を展開し、観客は一つの場所にいながらにして二つの花火大会を楽しむことができるという、全国的にも
珍しい形式である。打ち上げ数は両大会合わせて約6,000発。大玉やスターマイン、音楽と連動したミュージック花火などが
次々と夜空を彩り、観客の歓声と拍手が絶え間なく続いた。
この年の演出では、特に川崎側のプログラムにおいて、地元出身アーティストの楽曲に合わせた音楽花火が注目を集めた。
リズムに合わせて炸裂する花火は、視覚と聴覚を同時に刺激し、まるで夜空を舞台にしたライブパフォーマンスのような
臨場感を生み出していた。一方、世田谷側では伝統的な尺玉や連発花火を中心に構成され、静と動のコントラストが際立つ
演出となっていた。
大会の運営は、自治体の出資に加え、地元商店や企業の協賛、地域住民の寄付やボランティアによって支えられていた。
警備やごみの回収、誘導案内など、目立たない部分にも多くの人々の尽力が注がれており、まさに地域一体となって作り上げる
夏の祭典であった。浴衣姿の家族連れや、レジャーシートを広げてくつろぐ若者たち、カメラを構える愛好家の姿が河川敷に
広がり、そこには都会の喧騒を忘れさせる穏やかな時間が流れていた。
フィナーレでは、両岸から同時に打ち上げられる大玉が夜空で交差し、まるで光の橋を架けるかのような壮観な光景が広がった。
観客の誰もがその瞬間を見逃すまいと空を仰ぎ、歓声とともに拍手が巻き起こった。こうして2009年の多摩川花火大会は、
夏の終わりにふさわしい華やかさと、地域の絆を感じさせる温かさをもって幕を閉じたのである。
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