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千葉県習志野市に位置する谷津バラ園は、初夏の訪れとともに美しいバラの花々が咲き誇る市営のバラ園である。 京成本線谷津駅から徒歩約5分という利便性の高い立地にあり、かつて存在した京成電鉄の遊園地「谷津遊園」の一施設として 1957年に開園された歴史を持つ。1988年には習志野市の都市公園として再出発を遂げ、2025年で市営移行から37年目を迎えている。 園の敷地面積は約12,600平方メートルで、世界各国から集められた800種・7,500株のバラが整然と植栽されており、香りと彩りの 豊かな空間を作り出している。 2025年5月18日、この日は平均気温22.2度、最高気温25.5度、湿度87%とやや蒸し暑い気候であったが、風速は3.1メートルと穏やかで、 南西の風が吹く曇り空の一日であった。曇天ではあったが、強い日差しが避けられる分、花の色彩が柔らかく映え、園内を散策するには 適した気象条件であった。特に雨の翌日ということもあり、園内のバラの色合いは一層鮮やかに感じられた。 谷津バラ園の中心には噴水が設置されており、静と動の対比を象徴する造形となっている。また、園内右手には壁泉があり、 静かな水の流れとともにバラの風景を引き立てている。園内には5体の塑像が点在しており、フローラル像や「華」「白いコスチューム」 などが園の景観に趣を添えている。特筆すべきは長さ50メートル・幅6メートルの「バラのパーゴラ」と、つるバラを誘引した 全長60メートル・幅4メートルの「ツルバラのアーチ」である。いずれも訪れる人々の注目を集める存在であり、春のバラシーズンに おける撮影スポットとして親しまれている。 園内には香りの種類によって分類された「香りの庭」があり、フルーティ、ティー、ミルラなど6種の香りを一度に体感できるエリアと なっている。バラの香りは訪問者にとって視覚と嗅覚の両方で楽しめる魅力の一つであり、園全体の印象を豊かにしている。また、 皇室・王室コーナーでは日本をはじめ、イギリス、モナコ、デンマーク、旧フランス、オランダといった各国の王室に由来する名の バラが植えられている。中でも「プリンセスアイコ」「クイーンエリザベス」「グレースドゥモナコ」などはバラの品種としても 広く知られており、見応えがある。 さらに、著名人に因んだバラを集めた「有名人コーナー」や、比較的新しく開発された品種を展示する「新品種コーナー」など、 テーマ性を持ったエリアが各所に設けられており、訪れるたびに新たな発見がある。また、「読売巨人軍発祥の地」としての 歴史的意義も持っており、園の入口近くにはその由来を伝える石碑が設置されている。1934年、ベーブ・ルースやルー・ゲーリッグらを 含む全アメリカ選抜チームに対抗するために結成された全日本チームが、かつてこの地に存在した野球場で練習を重ねたことが、 のちの東京巨人軍(現・読売ジャイアンツ)の誕生へとつながったという由緒である。 園の管理運営は現在、京成バラ園芸によって行われており、園芸・造園の専門性を活かした管理がなされている。園長によれば、 4月下旬から早咲き品種が咲き始め、6月中旬には園内全体のバラが見頃を迎える。手をかけた分だけ美しく咲くという バラの性質は、来園者の心にも深く響くものである。 谷津干潟に隣接するこのバラ園は、自然との調和を大切にしつつ、美しい花々を通して人々にやすらぎと感動を与えている。 アクセスも良好であり、京成本線谷津駅から徒歩で訪れることができるほか、近隣には自動車利用者向けの駐車場も整備されている。 都会の喧騒を離れ、バラの香りと静かな風景に包まれる谷津バラ園は、花の季節に訪れるにふさわしい場所である。


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