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2025年4月28日、神奈川県横須賀市に属する無人島・猿島は、春の曇り空の下、穏やかな観光日和を迎えていた。 この日、三浦地域の気象状況は平均気温17.2度、最高気温21.9度、平均湿度77%、平均風速は4.2m/sと、南南西の風が 吹く中で過ごしやすい気候となっていた。猿島は東京湾に浮かぶ唯一の自然島であり、面積約0.055平方キロメートル、 周囲約1.6キロメートルの小島である。島は横須賀市街地の三笠公園沖合に位置し、京急本線横須賀中央駅から徒歩15分の 三笠ターミナルから出航する船で約10分の距離にある。運航は3月から11月までは毎日行われており、訪問者にとって アクセスの良いレジャースポットである。 この日、猿島へ向かう船上からは、海上自衛隊横須賀基地に入港する南極観測船「しらせ」の姿を確認することができた。 艦番号AGB-5003を持つこの艦船は、文部科学省の南極地域観測隊のために建造されたもので、防衛省により「砕氷艦」として 運用されている。2009年に就役した現行の「しらせ」は初代に次ぐ二代目で、極地への物資・人員輸送や観測任務を担っている。 猿島は、古代の縄文時代や弥生時代の土器や人骨が出土していることから、古くから人の痕跡が見られる場所であった。 日蓮にまつわる伝説や、春日神社の境内地としての歴史も持つ。さらに、幕末期には江戸幕府が国内初の台場を築造し、 明治以降は陸軍・海軍の要塞として東京湾の防衛拠点となった。煉瓦で覆われた要塞跡は現在も良好に保存されており、 国内では珍しいフランドル積みが見られる貴重な建造物である。これらの歴史的建造物は2000年に土木学会選奨土木遺産に、 2015年には国史跡に指定された。 島内には深い自然林が広がっており、季節を問わず釣りやバーベキュー、海水浴、散策といったアウトドア・アクティビティが 楽しめる。春と秋には釣り大会も開催され、地域イベントとして定着している。猿島の自然環境は、都市近郊でありながら 原生的な雰囲気を残しており、訪れる人々に非日常の体験を提供している。また、アニメ映画『天空の城ラピュタ』を 想起させる景観や、特撮作品『仮面ライダー』のショッカー基地としてのロケ地に使用された経緯もあり、文化的な関心も高い。 1995年に横須賀市が国から管理を受けたことを機に、整備と航路の再開が行われ、翌1996年には海水浴場も再開された。 2003年には無償譲与を受け、「猿島公園」として本格的な観光地化が進められた。2015年からは入園料制度が導入されているが、 その後も観光客数は増加傾向にあり、2017年には年間18万人を超えた。2019年にはドローンによる食材配送の実証実験が 実施されるなど、先進的な試みも行われている。 猿島の設備面では、トイレに注目すべき点がある。島のトイレは水や電気を必要としない再生型のシステムを採用しており、 排泄物を浄化して洗浄水として再利用している。ただし、手洗い場の水は飲用に適していないため、注意が必要である。 また、島内にはムカデが生息しており、自然環境との共存を前提とした注意も求められる。 以上のように、猿島は歴史的価値と自然環境、そして多彩なレジャー体験を兼ね備えた東京湾の貴重な観光資源である。 曇天ながら穏やかな気候に恵まれた2025年4月28日も、多くの来島者がその魅力を堪能したであろう。


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猿島





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