2013年2月23日から25日にかけての山梨県は、冬の冷え込みの中にも穏やかな晴天が続き、観光地巡りに
好都合な気候であったとみられます。特に24日は平均気温が1.8度、最高気温6.4度、最低気温-2.6度、
平均湿度31%、北北西の風が7.3m/sという冬ならではの冷たく乾いた空気が特徴的でした。25日は平均気温1.7度、
最高気温8.7度、最低気温-4.8度、湿度25%、風速3.8m/sと、晴天に加えて風も弱まり、空気の透明度が高く、
遠くの山並みまでクリアに見渡せる絶好の観光日和であったのが印象的です。なお、23日の詳細な気象データは
手元にありませんが、24日・25日に続く冬晴れが想像され、全体として安定した気象状況であったと考えられます。
こうした背景のもと、山梨市にある「ほったらかし温泉」は、甲府盆地や遠くにそびえる富士山を見渡せる露天風呂が
好条件のもとでひときわ映えていました。日の出前から営業を開始するこの温泉では、冬の澄んだ空気と肌に冷たさを
感じさせる朝の空気の中で、湯気とともに浮かび上がる富士の輪郭を眺めるという静かな贅沢が想像されます。また、
「みたまの湯」は標高370メートルという立地ゆえに視界が広く、八ヶ岳や北岳、秩父山系などの山並みを遠望しつつ、
夕暮れから夜へと移り変わる空を感じながら入浴できる施設として、この時期ならではの趣を備えていました。
アルカリ性単純温泉で、源泉かけ流しの湯に身をゆだねながら、冷えた身体と心を温めるには理想的な場所であり、
日中の観光の疲れを癒すには最適なひとときであったと想定されます。
また、冬の澄んだ空気は、山梨の自然や歴史を訪れる場所でもその良さを際立たせています。北杜市にある
「サントリー白州蒸留所」は、森に囲まれた「森の蒸留所」として知られ、その静けさと清浄な空気の中でウイスキー
「白州」の製造工程や歴史に触れ、試飲を楽しむことができる場でした。雪をかぶる木々とともに、華やかな香りが漂う
館内は、寒さとは対照的な温かさと落ち着きに包まれていたことでしょう。
歴史を感じさせる場所としては、甲府市にある「武田神社」が挙げられます。戦国時代の名将を祀る神社として荘厳な
社殿と整備された庭園をもつこの神社は、冬の季節、澄み切った冬空と境内の冷気のなかで、ひときわ静謐な雰囲気を
醸し出していたはずです。雪化粧こそなかったかもしれませんが、冬の透明な空気は、遠くの山並みとともに社殿の
凛とした造りを際立たせていたと思われます。
自然の造形美を楽しむ場所としては、「御岳昇仙峡」が冬の渓谷として新たな魅力を放っていたことでしょう。
花崗岩の断崖や奇岩、清流が続く渓谷は、冬の冷たく澄んだ空気と相まってその輪郭をくっきりと見せ、遊歩道を歩く
観光客の目には、春や秋とは異なる静かな迫力が映ったであろうと想像されます。
地域の食文化やお土産品にも冬の旅はつきものです。和菓子の名店「桔梗屋」が提供する「桔梗信玄餅」は、このような
季節の訪れに際しても変わらず人気を集め、本社敷地内のアウトレットでは通常よりもお得に手に入る機会があったため、
寒さの中で訪れる観光者にとって魅力的な立ち寄り先となっていたと考えられます。そして、旅の締めくくりには、
地元の郷土料理である「甲州ほうとう」を温かく味わうことで、冷えた身体と心を温め、山梨ならではの味覚で旅の
余韻を感じることができたでしょう。
一方で、交通の拠点である「笹子トンネル」の存在は、この地域のアクセスの利便性を物語ると同時に、過去の事故が
抱える交通インフラの課題を思い起こさせるものでした。2012年に起きた天井板落下事故は記憶に新しく、
当時も安全対策や道路管理の重要性が改めて認識されたばかりであったため、観光や移動の際には慎重さが求められたに
違いありません。
このように、2013年2月23日から25日の山梨は、冬の冷気と晴天、澄んだ空気という気象条件が、多様な観光資源――温泉、
自然、歴史、食文化――の魅力を際立たせる絶好のタイミングであったといえます。訪れる者に対して、山梨が持つ
多面的な魅力を、ゆったりと感じさせる3日間であったと思われます。
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