足立の花火は、東京都足立区の荒川河川敷で開催される大規模な花火大会であり、都内でも屈指の人気と規模を誇る。
例年、東京の夏の花火シーズンの先陣を切る形で開催されるこの大会は、「第○回足立の花火」として毎年開催されており、
2008年の第30回大会以降は「足立の花火」が正式名称となっている。
この花火大会の起源は明治時代にさかのぼるとされており、千住大橋の再建を祝って花火が打ち上げられたというが、
当時の記録は残っていない。最も古い記録は、日露戦争の凱旋を祝った打ち上げであるとされている。1924年には千住新橋の開通を
記念して「千住新橋開通記念花火大会」が開催され、翌年からは「千住の花火大会」として毎年行われていた。第二次世界大戦の影響で
1939年に一時中断するが、1949年に再開され、以後地域住民に親しまれてきた。しかし1960年には河川敷の改修工事に伴い一旦終了した。
その後、1970年代に入ってから再び花火大会復活を望む声が高まり、1978年に開催された足立区民納涼大会での花火打ち上げが
大好評を得たことをきっかけに、翌1979年に「足立の花火大会」として正式に復活した。このときは約3,700発が打ち上げられ、
再開を待ち望んでいた多くの観客を魅了した。
以降、足立の花火は毎年7月下旬に開催され、現在では打ち上げ数約13,000発、観客動員数60万人超という一大イベントへと成長している。
打ち上げは千住側から行われ、会場は東京メトロ千代田線の鉄橋から西新井橋の間に広がる荒川河川敷である。アクセスとしては、
南岸側は北千住駅から、北岸側は東武スカイツリーラインの各駅や日暮里・舎人ライナーの駅から徒歩で向かうことができるが、
特に混雑時の対応としては西新井駅の利用が推奨されている。
開催日は長らく隅田川花火大会の2日前の木曜日が通例であったが、2013年からは1週前の土曜日へと変更された。これにより、
足立の花火は東京における夏の大規模花火大会の幕開けとしての位置付けが明確となった。例外として、2011年と2012年には
東日本大震災の影響を受けて10月開催となり、また2020年から2022年までは新型コロナウイルス感染拡大のため中止を余儀なくされた。
2023年には4年ぶりに第45回大会が開催され、久々の開催に多くの観客が詰めかけた。
花火大会は、ただ花火を打ち上げるだけでなく、音楽とシンクロした演出や観客参加型の企画など、年々新しい試みにも挑戦している。
2016年以降はエイベックスと連携し、サイリウムを使った光の演出が加わるなど、ライブイベントさながらの盛り上がりを見せるように
なった。特に、花火に合わせて流れる音楽を事前投票で決定する「音楽花火」は人気の企画であり、観客との一体感を演出する
仕掛けとして定着している。
さらに、幅300メートルにもおよぶナイアガラ花火や、フィナーレを飾る「黄金のしだれ桜」など、見どころも多く、毎年恒例の演出として
観客に親しまれている。なお、悪天候時には安全確保のため中止されることもあるが、予備日は設けられていない。これは警備体制や
運営上の制約があるためであり、2024年には開催直前に発生した雷雨の影響で急遽中止となった事例もある。
2025年には例年の夏開催から一転し、熱中症や悪天候への対応を目的として5月31日に開催日が変更されたが強風の為、中止。開催月変更
など柔軟な対応もまた、「足立の花火」が現代においても多くの人々に愛され続けている理由のひとつである。
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